英語脳シリーズ③
シリーズ①では「現在分詞」、シリーズ②では「過去分詞」を取り上げてきた。
どちらも、「目の前の名詞をもっと詳しく説明するために、後ろへ情報を伸ばしていく」という全く同じ型(システム)であることを体感していただけたと思う。
では、学校英語で多くの人が挫折してしまう最大の難所、「関係代名詞」はどうだろうか。
who、that、which、where、why……。
教科書を開けば難しいルールがこれでもかと並び、「これは主格」「これは目的格」とパズルのような暗記を強いられる。しかしネイティブスピーカーは、そんな複雑な分類を頭の中で考えながら話してはいない。
断言しよう。実は関係代名詞も、これまで紹介してきた現在分詞や過去分詞と「完全に同じ発想(代入法)」なのである。
今回も難しいルールは一切なし。例文をただ眺めながら、「なんだ、関係代名詞もただの代入だったのか!」という最高の爽快感を味わってほしい。
- なぜ関係代名詞が急に難しく感じてしまうのか、その原因
- who、that、where、whyがすべて同じ仕組みで伸びていく感覚
- 現在分詞・過去分詞・関係代名詞がすべて「同じ仲間」であるという真実
- 英語脳の本質である「説明したくなる脳」の作り方
学校英語では関係代名詞だけが急に難しくなる
学校では、よくこんな風に教えられる。
「I know the man. と The man lives next door. の2つの文章を、whoを使って1つにドッキングさせなさい」
これが英語を話せなくする諸悪の根源だ。ネイティブは2つの文章を頭の中でガッチャンコと結合させているのではない。ただ、「名詞を口にしたあと、もっと説明したくなったからパーツを代入した」だけなのだ。
最初から1本のレールの上で、後ろへ後ろへと情報を足していくネイティブのカメラワークを、ここから4つの例文で体験していこう。
例文①:人を説明する(who)
まずは「人」を後ろから詳しくしていく型だ。頭の中で映像がどんどん鮮明になっていくのを意識してほしい。
a man who lives next door and greets me every morning
a man(ある男)
↓
who lives next door(隣に住んでいる)
↓
and greets me every morning(そして毎朝挨拶をくれる)
和訳:「毎朝(私に)笑顔で挨拶をしてくれる、隣の家に住んでいる男性」
「ある男」というぼんやりした映像に、情報が代入されるたびに「隣の住人」「朝の挨拶」と、目の前の景色がクッキリと色づいていく感覚が掴めただろうか。
例文②:物を説明する(that)
次は「物」だ。やり方はwhoと全く一緒。ただパーツの形がthat(またはwhich)に変わるだけである。
a book that changed my life when I was a student
a book(一冊の本)
↓
that changed my life(私の人生を変えた)
↓
when I was a student(私が学生だったときに)
和訳:「学生時代に、私の人生をガラリと変えた一冊の本」
これも全く同じ。本という名詞の後ろに、thatを使って「人生を変えた」「学生時代に」という情報をただ代入しているだけなのだ。
例文③:場所を説明する(where)
文法書では「関係副詞」などと新しい名前が登場するが、そんな言葉は忘れていい。whereはただの「場所専用のwho」くらいの感覚で十分だ。
the cafe where I often write articles on weekends
the cafe(そのカフェ)
↓
where I often write articles(私がよく記事を書いている)
↓
on weekends(週末に)
和訳:「週末に、私がよくこもって記事を書いているお気に入りのカフェ」
週末、カフェの片隅でパソコンに向かっているブロガーの映像がスッと浮かべば完璧だ。
例文④:理由を説明する(why)
最後は「理由」を伸ばしてみよう。構造の美しさにきっと気付くはずだ。
the reason why I started blogging after retirement
the reason(その理由)
↓
why I started blogging(私がブログを始めた)
↓
after retirement(定年退職した後に)
和訳:「私が定年退職した後に、ブログという挑戦を始めた理由」
ここまで来れば、whoもthatもwhereもwhyも、すべてが同じ構造の上で美しく並んでいることがはっきりと見えてくるはずだ。
実は全部「名詞を説明している」だけ
ここが、この記事最大の山場である。
今お見せした①〜④の英文を、シンプルに表にまとめてみよう。
| 主役(名詞) | 後ろに代入して説明するパーツ |
|---|---|
| a man | who lives next door… |
| a book | that changed my life… |
| the cafe | where I often write articles… |
| the reason | why I started blogging… |
ご覧の通り、やっていることは「名詞をポンと置いて、その直後に説明パーツを代入しているだけ」。関係代名詞の正体とは、これ以上でもこれ以下でもないのだ。
現在分詞・過去分詞・関係代名詞は全部「仲間」だった
ここで、シリーズ①から今回の③までを熱心に読んでくれたあなたに、最高の「ご褒美(真実)」をお渡ししたい。
| シリーズ | 脳内で行われている仕組み |
|---|---|
| ① 現在分詞 | 名詞の後ろに「動いている映像」を代入して説明する |
| ② 過去分詞 | 名詞の後ろに「完成した状態の映像」を代入して説明する |
| ③ 関係代名詞 | 名詞の後ろに「誰が何する(文章)」を代入して説明する |
どうだろうか。日本の英語教育ではまったく別の単元として習うこの3つは、ネイティブの脳内では「名詞を後ろから説明するための、同じ一つのシステム」にすぎないのだ。
英語脳は「説明したくなる脳」である
ネイティブスピーカーは、話すときに関係代名詞の主格などという文法を選んではいない。
ただ、「もっと説明したい!」という心の欲求に従っているだけなのだ。
その結果、説明したい中身が単なる動作なら現在分詞(ing)になり、状態なら過去分詞になり、主語と動詞を備えた具体的なストーリーなら関係代名詞(whoやthat)が選ばれる。
すべての根っこは同じ。英語脳とは、文法をこねくり回す脳ではなく、この「型を育てる言語」なのである。
あわせて読みたい記事:
英語脳シリーズ①はこちら
👉️ 学校英語では絶対わからない|英会話は「代入」で無限に話せるようになる英語脳の仕組み【英語脳シリーズ①】
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👉️ 学校英語では絶対わからない|過去分詞も「代入」で無限に広がる英語脳の仕組み【英語脳シリーズ②】
まとめ:文法をバラバラに覚えるのを、今日で終わりにしよう
関係代名詞という言葉の難しさに騙されてはいけない。これもただの、強固な「代入の型」のバリエーションの一つにすぎないのだ。
これまで学校英語では「現在分詞」「過去分詞」「関係代名詞」という別々の単元として習ってきた。しかしネイティブの頭の中では、それらはすべて「名詞をもっと詳しく説明したい」という一つの発想から生まれている。
英語脳とは、文法を細かく分類することではなく、この一つの発想を自在に使い回せる脳なのである。
この大本のシステムさえ掴んでしまえば、あなたの英会話はどこまでも長く、どこまでも深く、自分の思い通りに伸ばしていくことができるだろう。
そして、この「代入のパズル」は、次回いよいよ**前半戦の最大のクライマックス**を迎える。
次回予告:【英語脳シリーズ④】名詞節も「代入」だった!?
これまで、現在分詞・過去分詞・関係代名詞を使い、「名詞を後ろから説明する型」をマスターしてきた。
では、パーツを後ろに代入するだけでなく、「名詞そのものを、丸ごと一つの文章に置き換えて代入する」としたら……?
次回は、
「I know him.(彼を知っている)」と、
「I know that he is the one.(彼こそがその人だと知っている)」が、
脳内のまったく同じ場所に代入されているだけだという、驚きの真実をお届けする。これを知れば、あなたの英語の視界は完全にひっくり返るはずだ。楽しみにしていてほしい。

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