英語脳シリーズ⑦
シリーズ①から⑥までで見てきたように、ネイティブスピーカーは英文法を「分類」しながら話しているわけではない。
頭の中にあるのは、決められた場所へ必要なパーツを代入するという、ごくシンプルな感覚だけである。
では、多くの学習者が苦手とする「前置詞」はどうだろう。
学校では、
in=〜の中
on=〜の上
at=〜で
という日本語訳を暗記させられ、さらに前置詞句になると「形容詞句」「副詞句」という新しい分類まで登場する。
しかし、本当にそれだけなのだろうか。
実はネイティブが見ているのは、日本語の意味ではない。
見ているのは、「空間」「位置」「方向」「関係」という一つのイメージである。
今回も英語脳シリーズらしく、「代入」という視点から前置詞句の本質を解き明かしていこう。
※ 前置詞句とは、「前置詞+名詞」でできた一つのまとまりである。
on the desk
in the room
from Osaka
といった部分が前置詞句だ。
学校ではこれを「形容詞句」「副詞句」と分類して習う。しかし英語脳では、もっとシンプルに理解できる。
- 前置詞句が難しく感じる本当の理由
- ネイティブは前置詞を日本語訳で考えていない理由
- 前置詞句は「空間を代入するパーツ」であること
- 形容詞句・副詞句という分類より大切な考え方
- 前置詞を英語脳で理解する方法
学校英語では前置詞句も暗記で学ばされる
学校英語の教科書を開くと、前置詞はただの「丸暗記リスト」として処理されてしまう。
- in = 〜の中
- on = 〜の上
- at = 〜で
このように一対一の日本語訳で覚えさせられるため、少しでもその訳から外れた表現(例えば「on duty=当番で」や「in tears=泣いて」など)が出てくると、途端に英語が読めなくなったり、話せなくなったりする。私たちは「前置詞を見たら日本語訳に直す」という終わりなき暗記ゲームに縛り付けられているのだ。
ネイティブは前置詞句を日本語訳では捉えていない
だが、ネイティブスピーカーは「in」や「on」を言うときに、頭の中で「〜の中…」などという日本語の翻訳作業は1ミリも行っていない。
彼らがやっているのは、「場所」「方向」「関係」を頭の中に一瞬でイメージすることだけだ。前置詞とは言葉の意味ではなく、その後に続く名詞とセットになって、脳内に特定の「空間の絵」を浮かび上がらせるためのスイッチなのである。
前置詞は”空間”を代入するパーツ
では、その「空間の絵」が文の中でどう機能しているのか、お馴染みの「代入」の視点で見てみよう。
ネイティブが主語と動詞(〜は、〜に存在する)を言った瞬間、後ろに「空間・場所の箱( [ ] )」が生まれる。そこへ、前置詞が作った空間パーツをポンと放り込むだけだ。
- The book is [ on the desk ]. (机の上、という空間を代入)
- The key is [ in my bag ]. (バッグの中、という空間を代入)
- The cat is [ under the table ]. (テーブルの下、という空間を代入)
学校英語ではこれらを別々の例文として暗記させるが、本質はすべて同じ。主語の存在している場所(箱)の中に、それぞれ異なる形をした「空間パーツ」を代入しているだけなのである。
前置詞句は名詞の後ろにも代入される
さらに、この空間パーツ(前置詞句)は、動詞の後ろだけでなく「名詞の後ろ」のスペースにもそのまま代入することができる。
- The book [ on the desk ] (机の上の → 本)
- The girl [ in the room ] (部屋の中の → 女の子)
ここでも、やっている操作は完全に同じだ。名詞のすぐ後ろにある説明スペース(箱)に、前置詞句というパーツを放り込んで、その名詞がどこの空間に属しているかを詳しくしているだけである。
これは、シリーズ①〜③で解説してきた「関係代名詞」や「分詞」が名詞の後ろに代入される仕組みと、全く同じパズル盤のルールなのだ。
動詞の後ろにも代入される
もちろん、動作を表す一般的な動詞の後ろにも、この空間パーツは綺麗に収まる。
- I study [ in the library ]. (図書館という空間で → 勉強する)
- She walked [ across the street ]. (通りを横切るという方向で → 歩いた)
- He came [ from Osaka ]. (大阪からという起点から → 来た)
動詞を言ったあとに、「どこで?」「どの方向へ?」という空間の情報を付け足したいとき、その動詞の後ろのスペースへ前置詞句を代入する。前置詞句が、その動作が一体どんな空間で行われているのかを、パズルのようにカチッと完成させているのである。
なぜ学校英語は混乱を生むのか
理由は、本質的にはただの「代入位置」の話なのに、学校英語はそれを無理やり分類しようとするからだ。
| 学校英語の分類名 | 本質(英語脳の視点) |
|---|---|
| 形容詞句(名詞を修飾する) | 単に「名詞の後ろの箱」へ空間を代入しただけ |
| 副詞句(動詞や文を修飾する) | 単に「動詞の後ろ・文の後ろの箱」へ空間を代入しただけ |
「形容詞句」「副詞句」という難しい名前を必死に覚え、文法的に見分けようとするから頭がフリーズする。大切なのは名前ではない。「そのパーツがどこへ代入されているか」、ただそれだけなのだ。
英語脳の結論
英語脳が導き出す結論は、どこまでもシンプルだ。
前置詞は、日本語の「意味」ではない。脳内にパッと広がる「空間を作るパーツ」だ。
そして前置詞句とは、その組み立てられた空間を、英文の空いている箱へと代入しているだけ。ネイティブスピーカーは、この代入操作を頭の中でそれこそ反射的に、ノータイムで行っているのである。
以下に、英語脳シリーズの一覧を載せる。
👉 学校英語では絶対わからない|英会話は「代入」で無限に話せるようになる英語脳の仕組み【英語脳シリーズ①】
👉 学校英語では絶対わからない|過去分詞も「代入」で無限に広がる英語脳の仕組み【英語脳シリーズ②】
👉 学校英語では絶対わからない|関係代名詞も「代入」で無限に広がる英語脳の仕組み【英語脳シリーズ③】
👉 学校英語では絶対わからない|名詞節も「代入」で無限に広がる英語脳の仕組み【英語脳シリーズ④】
👉 学校英語では絶対わからない|不定詞は3種類ではない。「代入」で理解する英語脳の仕組み【英語脳シリーズ⑤】
👉️ 学校英語では絶対わからない|動名詞は不定詞と何が違うのか。「代入」で理解する英語脳の仕組み【英語脳シリーズ⑥】
代入法による実際の訓練方法はこちらの記事を参考に。
👉 私がYouCanSpeakを推す3つの理由|英語脳を反射神経に変える代入法トレーニングとは
まとめ
今回の記事では、学校英語で「形容詞句」「副詞句」と分類される前置詞句も、実際には空間・位置・方向・関係を英文へ代入するパーツとして理解できることを見てきた。
シリーズ①から積み上げてきた「代入」という考え方で見れば、現在分詞・過去分詞・関係代名詞・名詞節・不定詞・動名詞、そして前置詞句まで、すべてが一つのルールでつながっていることが分かる。
こうして見ていくと、学校では別々に教えられる英文法も、ネイティブの頭の中ではすべて「決められた場所へパーツを代入する」という一つの仕組みで動いていることがわかる。
英語脳とは、文法用語を数多く覚えることではない。
決められた場所へ必要なパーツを瞬時に代入できる感覚こそが、本当の英語脳なのである。
前置詞の正体が見えてくると、英語にはもう一つ、日本人が苦手とする重要なパーツが残っている。
それが「副詞」である。
学校では「副詞は動詞・形容詞・副詞を修飾する」と習うが、ネイティブはそんな文法用語を考えて話してはいない。次回は、副詞もまた「代入」という視点から整理し、英語脳で使いこなす仕組みを解説していく。お楽しみに!
運営者ヤヌスの心からのメッセージ
英語は「知識」ではなく「反射」です。
理解しただけでは話せるようにはなりません。
本当のゴールは“瞬時に口から出る状態”です。

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