英語脳シリーズ①
「英会話は文法を覚えろ」
そう言われ続けて勉強してきたのに、いざ話そうとすると何も口から出てこない。そんな経験はないだろうか?
一方で、ネイティブスピーカーたちは、難しい文法をいちいち頭の中で組み立てながら話しているようには到底見えない。では、何が違うのか。
実は、ネイティブは新しい英文を一から作っているわけではない。
頭の中にある”型”へ単語やフレーズを入れ替えながら話しているだけなのである。この考え方が「代入法」。
今回は難しい理論は一切使わない。
たった3つの例文だけで、「なるほど、だから英会話は代入なんだ」という感覚を掴んでもらいたい。
- 学校英語が私たちを苦しめる「一つずつ覚える罠」の正体
- 3つの例文を読むだけで、脳内に「英語の骨組み」が立ち上がる感覚
- 同じ型にパズルをはめ込むだけで、無限にフレーズが作れる仕組み
- 代入法をマスターすることで、なぜ「英語脳」が完成するのか
学校英語では英文を”一つずつ覚える”から苦しくなる
学校英語や一般的な学習法では、英文をこのように別々に覚えようとする。
- I like coffee.
- I like tea.
- I like music.
私たちはこれらを「3つの異なる文章」として記憶しようとするため、覚える量が増えるほど脳のメモリがパンクしてしまう。しかし、ネイティブの頭の中は違う。彼らにとってこれは3つの文章ではなく、「I like + 【名詞】」という共通の型なのだ。後ろのパーツを入れ替えているだけにすぎない。
例文①:ある景色の切り取り
まずは、文法を忘れて次のフレーズを頭の中で映像化してみてほしい。
a taxi driver waiting for a customer in the rain
a taxi driver(タクシードライバー)
↓
waiting for a customer(乗客を待っている)
↓
in the rain(雨の中)
和訳:「雨の中で乗客を待っているタクシードライバー」
激しい雨の中、じっとお客様を待っている一台のタクシーの情景が浮かんだはずだ。
これを1つの意味の塊(チャンク)として、まずは身体で丸ごと覚えてしまおう。
例文②:もう一つの景色の切り取り
では、2つ目のフレーズにいこう。先ほどの例文①と、頭の中の「映像の動き方」を比べながら感じてみてほしい。
a blogger writing late at night with a cup of coffee
a blogger(ブロガー)
↓
writing late at night(夜遅く記事を書いている)
↓
with a cup of coffee(コーヒーを片手に)
和訳:「 コーヒーを片手に夜遅く記事を書いているブロガー」
コーヒーを片手に、夜遅く静まり返った部屋で記事を書いているブロガーの姿が浮かぶ。
ここで「おや?」と思った方は素晴らしい。そう、例文①と例文②は、単語は違っても言葉の紡がれ方が「ほぼ同じ構造」をしているのだ。
例文③:さらに景色を重ねる
確信を持ってもらうために、3つ目のフレーズをお見せしよう。
an office worker checking the phone during a short break
an office worker(会社員)
↓
checking the phone(電話をスマホをチェックしている)
↓
during a short break(短い休み時間の間)
和訳:「短い休み時間の間にスマホをチェックしている会社員」
短い休憩時間に、ふとスマホをチェックしている会社員の姿がパッと浮かぶ。
ここまで来ると、読者の方も英語が持つ共通の”型”をはっきりと認識し始めているはずだ。
例文④:さらに伸ばせることを知る
次は、文中に現在分詞が2回登場する英文にも慣れることを示す。
a woman standing by the window looking outside
a woman standing(立っている女性)
↓
by the window(窓のそばに)
↓
looking outside(外を見ながら)
和訳:「窓際に立って外を眺めている女性」
このように現在分詞は、後ろへ後ろへと情報を足していくことで、目の前の景色をさらに鮮明に描写できる。
※ 見てほしい。
①〜③では
名詞
↓
現在分詞
↓
場所
という型だった。
ところが④では
名詞
↓
現在分詞
↓
場所
↓
さらに現在分詞
へと型が自然に伸びている。
つまり英語は一度覚えた型を、あとからどんどん伸ばしていける言語なのである。
なぜ英会話は無限なのか?これが「代入法」の正体だ
ここが、この記事最大の山場である。
今お見せした①、②、③の英文は、実はすべて「名詞 + 現在分詞 + 場所・状況」という全く同じ骨組みで作られている。
| 名詞 | 現在分詞 | 場所・状況 |
|---|---|---|
| a taxi driver | waiting for a customer | in the rain |
| a blogger | writing late at night | with a cup of coffee |
| a worker | checking the phone | during a short break |
つまり、ネイティブは無数の英文を暗記しているのではない。この「骨組み(型)」を覚えており、そこにその時伝えたい単語を瞬時に代入しているだけなのだ。
ほら、あなたももう「代入」で英語を作れる!
この型さえ掴めば、パーツを入れ替えるだけで無限に英文が作れるようになる。試しに一気に見せてみよう。
- a mother cooking dinner(夕食を作っているお母さん)
- a student studying in the library(図書館で勉強している学生)
- a man reading a newspaper(新聞を読んでいる男性)
- a woman walking her dog(犬を散歩させている女性)
どうだろうか?「もう自分でも作れる」という感覚が湧いてこないだろうか。難しい文法理論に縛られなくても、代入さえできれば言葉はいくらでも紡げるのだ。
過去分詞の代入法についてはこちらを参考に。
👉️ 学校英語では絶対わからない|過去分詞も「代入」で無限に広がる英語脳の仕組み【英語脳シリーズ②】
英語脳シリーズ③はこちら
学校英語では絶対わからない|関係代名詞も「代入」で無限に広がる英語脳の仕組み【英語脳シリーズ③】
代入法が英語脳を作る理由
この代入法を繰り返していくと、脳内である素晴らしい変化が起きる。それは、英語を話すときに「日本語に翻訳して組み立てる隙がなくなる」ということだ。
型にパーツを代入した瞬間に、頭のスクリーンにダイレクトに映像がパッと浮かぶ。この回路が繋がった状態こそが、以前の記事でお伝えした「イメージで理解する英語脳」の本質なのだ。
まとめ:たった1つの型を、自在に使い回す楽しさを知ろう
英会話とは、英文を1000個覚えることではない。英文の型を100個覚えることでもない。
たった1つの型を自在に代入できるようになることから始まるのだ。
ネイティブは英文を無数に暗記しているのではない。型を知っているから、新しい英文を”作れる”のである。
また、ネイティブは文法を考えて話しているのではない。優れた型を使い回しているだけなのだ。
つまり英語とは、「英文を覚える勉強」ではなく、「型を自在に使い回す勉強」なのである。
この代入の感覚を、あなたの脳の「反射神経」にまで落とし込んでくれる具体的なトレーニング法については、以下の記事で詳しくレビューしているので、ぜひ一読してみてほしい。


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