ネイティブの英会話は intonation(抑揚=音声の高低)rythm(リズム)あるいはliaison(連音、linkingとも言う)やarticulation(調音)などが状況に応じて瞬時に表現されている。
ただ、これを知識として理解しても英会話力は伸びない。この記事ではガチな実力養成を目的に具体的な英会話の例文を通して英語の音声の変化に慣れるレッスンをする。
語尾が下がる疑問詞を使った疑問文、平叙文、命令文、感嘆文
これは英語の発音の基礎でもあるが一応確認事項として例文を載せる。なお、下の疑問詞を使った疑問文と平叙文はそれぞれ会話として対応したものにする。
疑問詞を使った疑問文3例と平叙文3例
Question 1
What time does your husband usually get up and have breakfast?⤵(ご主人は普段何時に起きて朝食を摂られますか?)
Answer 1
My husband usually gets up at seven o’clock and has breakfast around seven-thirty.⤵(主人は普段7時に起きて7時半ごろ朝食を摂ります。)
Q.2
How did he go to work yesterday morning?⤵(昨日の朝はご主人何で仕事に行かれましたか?)
A.2
I believe he took the same train as usual.⤵(いつもと同じ電車に乗ったと思いますけど)
Q.3
Who do you think could accompany him on his way to work?⤵(通勤時に彼に同行する可能性のある人物は考えられますか?)
A.3
I have no idea.⤵(わかりません)
*疑問詞を使った疑問文、平叙文では語尾は下がる。
命令文3例と感嘆文3例
命令文(imperative sentence):
Move one step forward.⤵(もう一歩前に出なさい)
Make sure you arrive ten minutes before.⤵(10分前に来るようにしなさい)
Be sure to read all the terms and conditions.⤵(必ずすべての規約と条件をお読み下さい)
感嘆文(exclamatory sentence):
How gorgeous she is!⤵(彼女はなんて素敵なんだ!)
What a slick guy he is!⤵(あいつはなんて口の巧い奴だ!)
What a sad news there is!⤵(なんて悲しいニュースがあるんだろう!)
*命令文、感嘆文では語尾は下がる。
語尾が上がる一般疑問文、付加疑問文、否定疑問文
これも英語の発音の基礎であるが、一応の確認事項としてそれぞれ3例を載せる。
一般疑問文=Yes/No 対応の疑問文
Are you a singer?⤴(あなたは歌手ですか?)
Do you like to sing?⤴(あなたは歌が好きですか?)
Can you sing this song?⤴(あなたはこの歌唄えますか?)
付加疑問文
You are a singer, aren’t you?⤴(あなたは歌手でしょう?)
You like to sing, don’t you?⤴(あなたは歌が好きでしょう?)
You can sing this song, can’t you?⤴(あなたはこの歌唄えるでしょう?)
否定疑問文
*否定疑問文は日本語の場合普通に使われるが英語の場合は「意外だったり」「苛立ったり」する時に使われるので注意が必要。
Aren’t you a singer?⤴(あなたって歌手じゃなかったの?)
Don’t you like to sing?⤴(歌うの好きじゃないのかよ?)
Can’t you sing this song?⤴(この歌唄えないのかよ?)
*一般疑問文、付加疑問文、否定疑問文では語尾は上がる。
語尾上げ下げの特殊なケース
以上のような定型のイントネーションとは違い、実際の英会話では状況や気持ちなどが絡んで例外的な語尾の上げ下げとなることがよくある。以下に解説する。
確認や驚きを表す表現の場合は語尾が上がる
これは会話の流れがわかっていれば当たり前の感覚としてそうなるが、相手の言ったことが聞き取れずに聞き返す場合や相手の言ったことが意外過ぎて驚いた場合は当然語尾は上がる。例を示そう。
・ He is a professional singer. (彼はプロの歌手なんだよ)
- He’s what⤴ ?(彼が何だって?)
- Professional singer⤴ !?(プロの歌手だって ⁉)
平叙文でも話の途中では語尾を上げることがある
「これをして~、んで~これをして~、そしたら次にこうして~」といった感じの表現で相手の注意を話の最後まで引っ張る時は上げ上げ調子で言うことがある。
例1)
First ⤴, boil water⤴, add a pinch of salt⤴ and some diced carrots in it⤵. (まず、水を沸かして、塩を一つまみとさいの目に切った人参を入れてください)
例2)
Make sure you bring a towel⤴, flip flops⤴, sunglasses⤴ and⤴ your boy friend⤵.(タオルと~サンダルと~サングラスと~、それに彼氏を忘れずに連れてきなさい)
例3)
Just if you want to internalize natural English⤴, practice makes perfect⤵. (本当に自然な英語を身に付けたいなら、習うより慣れることだ)
語尾の上げ下げの様々なケース
英語は抑揚で活きた英会話となる。まずは必ず音の上げ下げがある疑問詞を使った比較疑問文の例を示す。
疑問詞を使った比較疑問文
これも基本に属するが一応まとめとして記載する。
例1)
Which opinion do you think is better⤵, Tom’s⤴ or Nick’s⤵ ?
(トムの意見とニックの意見とどっちがいいと思う?)
例2)
Which color would you prefer⤵, dark red⤴ or bright red⤵ ?
(あなただったら濃い赤か明るい赤かどちらにします?)
同じ単語や文でも語尾の上げ下げで意図が違うケース
例1)
Freddie⤵. → ねえ、フレディー(普通に呼ぶ時)
Freddie⤴. → ね~え、フレディー(呼びかける時)
Fre⤴ddie⤵ ! → フレディーじゃないか!(興奮した時)
例2)
You miss him, don’t you⤴ ? → 彼がいなくて寂しいんでしょう?(質問)
You miss him, don’t you⤵ ? → 彼がいなくて寂しいんだね?(確認)
例3)
Isn’t she as good-looking as her sister⤴ ? → 彼女お姉さんと同じくらい綺麗じゃないですか?(質問)
Isn’t she as good-looking as her sister⤵ ? → 彼女はお姉さんと同じくらい美人だなぁ~。(意見)
以上で英語を話す際のイントネーションの原則や状況に応じたバリエーションを解説した。それぞれに音声を付けているのでそれ自体でイントネーションの基礎を身に付ける練習にはなるが、本当にイントネーションをモノにする(internalize) にはもっと多量の英会話に触れて真似をすることが必要となる。
英語のイントネーションは繰り返し真似してモノにする
皆さんが歌を覚えて巧く歌えるまでに何をするか。これを理解すれば英語のイントネーションをモノにするプロセスがわかる。
まず何度か繰り返し聴いて全体像に触れる=hearing
歌を覚える時は何度か聴いて「こんな歌なんだ」という理解をする。それが出発点となる。これは歌の全体像に触れてある程度の意味や状況を把握する作業。英文の中でイントネーションを身に付けるのも同じことだ。
意味のわからないところは調べて理解する=knowing
ここは文法力と語彙力が問われるところ。ただ、完全に理解できないところが10~20%あってもそこに過剰な時間を掛けずに丸ごと覚え込んでしまうことも有効。先に進むことを優先して慣れてくると突如「こういった意味だったのか」とわかることもよくある。
英文を目で追いながら何度か黙読する=listening or silent reading
これは聴きながら意味を理解して実際のイントネーションを把握する作業となる。歌で言えば音程や声の溜めを把握する作業。これで歌い出す一歩手前まで来るように、正しいイントネーションで発音できる一歩手前まで持ってくる。
英文を見ながら音読をする=reading aloud with text
歌の場合は楽譜や歌詞を見ながらの歌の練習。英文を見ながら音源通りに発音できるようになるまで繰り返す。この繰り返しで英文をほぼ覚える段階になる。
英文を見ずに音読する=shadowing
音源の人物になりきって発音しながら意味の理解を確認する。イントネーションは繰り返し真似することでモノにできる。
You can internalize English intonation by copying again and again.
まとめ
1)イントネーションは知識ではなく練習で身に付ける。Practice makes perfect. 習うより慣れることが重要。
2)疑問詞を使った疑問文、平叙文、命令文、感嘆文、付加疑問文、比較疑問文などにおけるイントネーションの基礎はまとめて練習する。
3)イントネーションで意味が異なるケースもあることに慣れる。
4)hearing, knowing, listening, reading aloud with text, shadowing で英語のリズムを身に付ける。
* 英文法の身に付け方を理解したい人はこちらを参考に:
グラマー(文法)というレールに単語が走ると英会話になる法則
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