about の本当の意味は「〜について」ではない|ネイティブが使う英語脳のコアイメージを解説

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前置詞 about のコアイメージを英語脳で図解。about を中心に「topic」「question」「around」「roughly」が放射状に広がるイメージ画像。

学校英語では、about=「〜について」と習う。
もちろん間違いではない。

しかしネイティブの日常会話では、about は「〜について」という日本語訳だけでは説明できない場面で次々に登場する。

  • This is a book about lions. (ライオンについての本)
  • What about tomorrow? (明日はどう?)
  • How about tomorrow? (明日にしない?)
  • How about going out for dinner? (夕食に出かけるのはどう?)
  • We’re about to leave. (今にも出発しそうだ)
  • I’m about 60. (60歳くらいです)

なぜ同じ about が、「〜について」「およそ」「どう?」「今にも〜しそう」という全く違う意味になるのだろうか?

日本語訳だけで覚えると、これらはバラバラの表現に見えてしまう。
しかしネイティブの頭の中では、すべてが美しい一本の線で繋がっている。

about の本質とは、「ある対象の周辺に意識を向けること」である。

この記事では、そのコアイメージから日常会話で頻出する表現までを一本の線で繋ぎながら、about の本当の感覚を英語脳で理解していこう。

この記事でわかること
  • about の本当のコアイメージ(対象の周辺に意識を向ける)
  • about が「〜について」になる理由
  • about が「およそ」になる理由
  • about と around の違い(周辺を見る vs 周囲を取り巻く)
  • What about と How about の違い
  • How about ~ing の仕組み
  • be about to の本当の意味
  • ネイティブが感じる「対象の周辺」という感覚

① about の本当の意味は「〜について」ではない

まず最初に、私たちが頭に叩き込まれてきた「about = 〜について」という固定観念を一度きれいに捨て去ろう。
「〜について」は、about という言葉が持つ豊かな世界の一面を、日本語に無理やり当てはめたに過ぎない。この訳語に縛られている限り、英会話で about をネイティブのように使いこなすことは不可能なのだ。

② about のコアイメージ (対象の周辺を意識ぼんやり捉える)

では、ネイティブの頭の中にはどんな映像が浮かんでいるのか。about の本質的なコアイメージは「ある対象の周辺(まわり)に意識を向けること」である。

    🌀 about(周辺をウロウロ)
   ↙   ↘
🌀 ➔ 【 核心・対象 】 🔀 about
   ↖   ↗
    🌀 about(意識がそのまわりを向いている)

ドンピシャで核心の真ん中を突くのではない。そのテーマの「周辺一帯」にモヤモヤと意識のスポットライトが当たっている状態。この「周辺」というたった一つの感覚が、すべての意味を生み出す源泉になる。

③ about と around の違い (周辺を見る vs 周囲を取り巻く)

ここで、同じ「まわり」を意味する around との違いをハッキリさせておこう。ここを混同している英語学習者は非常に多いが、ネイティブが見ている景色が全く違う。

  • about = 対象の周辺に意識が向いているが、境界線はあいまいで「ウロウロ」「あちこち」している感覚。
  • around = 対象のまわりをぐるっと円を描くように「取り巻いている(輪っか)」の感覚。

例えば、子供たちが部屋で暴れているとき、“The kids are running about.” と言えば「部屋のあちこち(周辺)を不規則に走り回っている」映像になる。一方で、“The kids are running around the table.” と言えば「テーブルのまわりを綺麗に円を描くようにぐるぐる回っている」映像になる。
この「あいまいな周辺(about)」と「明確な円周(around)」の違いが分かると、英語の解像度がガラリと変わるはずだ。

④ This is a book about lions (ライオンそのものではなく周辺情報)

なぜ about が「〜について」という意味になるのか、ライオンの本を例に考えてみよう。
“This is a book about lions.” と言ったとき、その本に書かれているのはライオンという生物そのものの専門的な定義だけではない。

ライオンの生態、生息地、狩りの方法、家族のあり方など、「ライオンという存在の周辺にあるあらゆる情報」にスポットライトが当たっている。だからこそ、私たちはそれを「ライオンについての本」と訳すのだ。
核心(on)を突く専門書ではなく、そのテーマの周辺を広く網羅しているからこその about なのである。

⑤ About the meeting, I have one question. (会議の件で)

ビジネスシーンでよく使う “About the meeting…”(会議の件ですが…) も全く同じだ。
これは「会議そのもの」の定義について話したいのではない。「あの会議の周辺にあること(議題やスケジュール、準備するものなど)に関して、質問が一つあります」と、相手の意識を会議の周辺ゾーンへと優しく誘導しているフレーズなのだ。

⑥ about 60 (およそ・約)

about が「およそ」「約」という意味になるのも、コアイメージから考えれば当然の帰結だ。
“I’m about 60.” と言えば、ドンピシャで「60歳ちょうど」と言っているのではない。60という数字の「周辺」、つまり58歳かもしれないし、61歳かもしれない、その数字のまわりをウロウロしている状態だ。
意識が「60の周辺」に向いているからこそ、日本語の「およそ」「だいたい」という感覚に完璧に合致する。

⑦ What about tomorrow? (その話の流れで明日はどう?)

ここからが、この記事の大きなハイライトである。日本人がパニックになりやすい「What about」の正体を紐解いていこう。

What(何)が about tomorrow(明日の周辺)に向いている状態だ。
これは、すでに何かの会話の文脈(例:週末の予定など)があり、「じゃあ、明日の周辺にある事情やスケジュールはどうなっているの?(何があるの?)」と、相手に状況を尋ねる時に使う。だからこそ、「その話の流れで明日はどう?」という意味になる。

⑧ How about tomorrow? (提案として明日はどう?)

一方で、How about tomorrow? はどうだろうか。
今度は How(どうやって・どんな状態)が about tomorrow(明日の周辺)に向いている。

こちらは前の会話の流れを引き継ぐというよりも、「明日の周辺のスケジュールをどんな風に料理しようか?明日にしてみない?」と、白紙の段階から新しくアプローチ(提案)している感覚。だからこそ、ニュアンスの違う「提案としての明日はどう?」になるのだ。

⑨ How about going out for dinner? (提案表現が生まれる仕組み)

この「提案の How about」の感覚がわかれば、お馴染みの “How about going out for dinner?”(夕食に出かけるのはどう?)というフレーズの仕組みもスッキリ理解できる。

「夕食に出かける(going out for dinner)」という行為の周辺を指して、「それをどう(How)料理しようか?」とアイデアを投げかけている映像だ。だからこそ、ネイティブにとってこれはごく自然な「〜しない?」という提案の定番表現になるのである。

⑩ We’re about to leave. (出発の周辺まで来ている)

学校英語で「今にも〜しそうだ」と丸暗記させられる be about to ~ 。なぜこの組み合わせでそんな意味になるのか、その正体を暴こう。

We are(私たちは今存在している)+ about(周辺に)+ to leave(これから出発するという方向へ)。
つまり、「私たちは、これから出発するという行為のすぐ手前の周辺エリアまで来ている」という映像なのだ。

【 現在地 】 ➔ ➔ ➔ [ 🌀 about エリア ] ➔ 【 出発(to leave)】

出発というゴールの周辺・境界線のギリギリまで足を踏み入れているからこそ、「今にも出発しそうだ」という緊迫感のある直前のニュアンスが生まれる。もうバラバラの熟語として暗記する必要はない。

⑪ about は日常会話で大爆発する

「対象の周辺に意識を向ける」という感覚が身につけば、日常会話の about 表現は4つの周辺にすっきりと分類できる。

話題の周辺を見る

  • This is a book about lions.(ライオンの周辺情報を網羅した本 ⇒ ライオンについての本)
  • About the meeting…(会議の周辺の事柄について ⇒ 会議の件ですが)

数字の周辺を見る

  • about 60(60をピンポイントで見るのではなく、60周辺をぼんやり捉えている ⇒ およそ60)
  • about 3 o’clock(3時くらいの周辺 ⇒ 3時ごろ)

提案の周辺を見る

  • What about you?(話の流れで、あなたの周辺の状況はどうなの? ⇒ あなたはどう?)
  • How about that?(それの周辺をどう思う? ⇒ あれはどうなった? / それはすごいね!)

行動直前の周辺を見る

  • be about to leave(出発という行為のすぐ手前の周辺にいる ⇒ 今にも出発しそうだ)
  • be about to cry(泣くという行為の周辺エリアに突入している ⇒ 今にも泣き出しそうだ)

💡 コラム:ネイティブが毎日使う about 表現

動詞と組み合わさった時も、「周辺に意識が向いている」という絵を描ければ簡単に処理できる。

  • be worried about ~:(〜の周辺にあれこれと心配の意識が向いてモヤモヤしている ⇒ 〜を心配している)
  • talk about ~:(〜のテーマの周辺についてあちこち言葉を交わす ⇒ 〜について話す)
  • think about ~:(〜の周辺の事柄に思考を巡らせてウウロロ考える ⇒ 〜について考える)

⑫ まとめ

最後に、今回解説した about の重要表現を一覧表でおさらいしよう。

表現 ネイティブが感じている「周辺」の映像
about lions ライオンそのものの定義だけでなく、その周辺の生態や情報の広がり
about 60 60という数字のジャストではなく、その数字の周辺をウロウロしている
What about ~ 話の流れから「〜の周辺の状況(何)」にスポットを当てる
How about ~ 「〜の周辺をこうしてみたらどう?」と方法やアイデアを提案する
be about to ~ これから起こる行為のすぐ手前の「周辺エリア」に身を置いている

about =「〜について」という無機質な日本語訳の呪縛から、今日で完全に脱出できたはずだ。
これからは、「対象の周辺にモヤモヤと意識が向いている映像」を頭に浮かべること。

その英語脳さえあれば、どんな表現に出会ってもネイティブと同じ景色を見て、直感的に理解できるようになる。

これまでの in, on, for, to, with, away シリーズ同様、この「周辺のベクトル」をあなたの中の英語脳コレクションに深く刻み込み、さらに立体的な英会話を楽しんでいこう!

💡 あわせて読みたい:前置詞シリーズバックナンバー

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