学校英語では、前置詞 between を「〜の間」と習った人がほとんどではないだろうか。
もちろん、それは間違いではない。
しかし映画や海外ドラマ、あるいはネイティブ同士の会話では、「間」と訳しただけでは意味がまったく見えてこない表現が次々に現れる。
- I’m between jobs.(今は転職活動中です)
- Read between the lines.(行間を読んで)
- Just between you and me…(ここだけの話だけど)
- Few and far between(めったにない)
- Between a rock and a hard place(板挟みになる)
「なぜ仕事の『間』が『無職』になるの?」
「なぜ文字の『間』が『本音を読む』になるの?」
「なぜ岩と壁の『間』が『板挟み』になるの?」
学校英語で教わるバラバラの日本語訳を暗記しているだけでは、この疑問に答えることはできない。
しかしネイティブは、これらを別々の意味として覚えているわけではない。
彼らの頭の中には、たった一つのシンプルなコアイメージしか存在しないのである。
この記事では、日本語訳を一度忘れ、ネイティブが between に感じている「個別に認識できる二点を結ぶ」という英語脳を、豊富な図解とともに解説していく。
読み終える頃には、初めて見る between の表現に出会っても、日本語訳ではなく映像で理解できるようになっているはずだ。
- between の本当のコアイメージが理解できる
- between と among が一瞬で区別できるようになる
- between jobs が「失業中」になる理由がわかる
- read between the lines の本当の意味が理解できる
- just between you and me が自然に使えるようになる
- few and far between が一生忘れなくなる
- between a rock and a hard place のイメージが頭に残る
- among との違いを日本語訳ではなく英語脳で理解できる
between の本当の意味は「〜の間」ではない
① 二つを結ぶ between(基本イメージ)
学校英語の最大の罠は、「betweenは2つの間、amongは3つ以上の間」という数だけの暗記である。実はネイティブにとって、重要なのは数ではない。
betweenの本当のコアイメージは、「個別の存在(点)同士を結ぶ空間・関係」である。位置関係そのものよりも、境界線がはっきりした個別のターゲット同士を意識しているのが特徴だ。
【3つ以上でも between を使う決定的な証拠】
Switzerland lies between France, Italy, Austria and Germany.
(スイスはフランス、イタリア、オーストリア、ドイツの間に位置している)
このように、対象が4カ国(3つ以上)であっても、それぞれの国境線がはっきりした「個別の点」として認識されているため、amongではなくbetweenを使うのが正しい文法となる。
② 二つの関係を結ぶ between
物理的な位置だけでなく、抽象的な「関係性」を結ぶときにもbetweenは大活躍する。これも点と点を線で結ぶイメージを持っていれば納得できるはずだ。
- relationship between A and B(AとBの関係 ➔ 2つの点を結ぶ赤い糸)
- difference between A and B(AとBの違い ➔ 2つの点を並べて見比べる)
- choose between A and B(AかBか選ぶ ➔ 2つの選択肢の間で天秤にかける)
③ between jobs の秘密
「私は仕事の間にいます」という直訳から、なぜ「転職活動中」という意味になるのだろうか。これもコアイメージがあれば明確になる。
【旧職(仕事A)】 ➔ ➔ [ 💡 空白期間:between ] ➔ ➔ 【新職(仕事B)】
前の仕事(点A)と、次の仕事(点B)を結ぶ「途中の空間」に今ちょうど浮いている状態。だからこそ、ただの失業者ではなく、「今は次のステップへ向かう架け橋の期間にいるんだ」という前向きなニュアンスが含まれる表現になるのだ。
④ read between the lines の秘密(今回の山場①)
直訳は「行間を読む」であるが、ネイティブが感じているのは「文字の隙間を覗く」ことではない。文字として書かれている二つの情報を線で結び、その間にある”言われていない情報”を読み取っている。
書かれている「言葉A」と「言葉B」を結ぶ空間には、あえて文字にされなかった「話し手の本当の意図・本音」が流れている。表面的な言葉の点と点を繋ぎ合わせて、その奥にある真実を読み取るという、まさに「結ぶ空間」のイメージそのものの表現である。
⑤ just between you and me
「ここだけの話だけど…」という秘密の暴露で定番のフレーズである。
秘密のメッセージが、「あなた(点A)」と「私(点B)」の2人だけを結ぶ完全に閉じられた直線の空間から外に漏れない状態を表している。2人だけの秘密の架け橋だからこそ、第三者(集団)が入る隙間はない。
同じ意味で between ourselves あるいは between us も良く使われるが、例文を一つ上げる。
Between us, I don’t think he’ll come.(ここだけの話だけど、俺やつは来ないと思うよ)
⑥ few and far between(今回の山場②)
「めったにない」「非常に稀だ」という意味のイディオムである。こちらも図解で見ると一瞬で脳裏に焼き付くはずだ。
【点○】 ➔ ➔ ➔ ➔(遥か遠い空間)➔ ➔ ➔ ➔ 【点○】
一つひとつの出来事(点)が、遥か遠く離れた空間(between)を挟んで、ぽつり、ぽつりとしか存在していない様子を表す。点と点の距離が極端に遠いため、「滅多に出会えない」という意味になる。
⑦ between a rock and a hard place
直訳すると「岩と固い場所の間」。日本語の「板挟み」「進退窮まる」にぴったりシンクロする表現で。日本語の「板挟み」がまさに同じ発想である。
前を向けば巨大な岩(障害物)、後ろを向けば逃げ場のない固い壁。その2つの圧倒的な存在に挟まれた狭い空間に閉じ込められ、一歩も動けない様子をイメージしてほしい。絶体絶命の窮地に立たされたネイティブの脳内には、このリアルな景色が浮かんでいる。
⑧ between と among の決定的な違い
最後に、検索上位のサイトが文字で説明している使い分けを、シンプルな図解で完結させよう。
【between の世界】
○ ─────── ○
(個別の2点を結ぶ直線・空間)
【among の世界】
○ ○ ○
○ ● ○
○ ○ ○
(境界線が曖昧な集団の中に埋もれている)
たとえば、天神や博多駅前の大勢の人混み(集団)の中に自分が埋もれている感覚なら among である(周りの一人ひとりの顔を識別していない)。
一方で、目の前に「田中さん」と「鈴木さん」という個人の顔がはっきり見えていて、その2人に挟まれている感覚なら between になる。
数が多いか少ないかではなく、「個別の存在を意識しているか(between)」「ざっくりとした集団として見ているか(among)」。これだけ覚えておけば、もう迷うことはないはずだ。
まとめ
最後に、今回解説したネイティブの感覚を一覧表で復習しよう。
| 表現 | ネイティブが感じるイメージ |
|---|---|
| between A and B | 明確に区別できる「二つの点」を結ぶ空間 |
| between jobs | 前の仕事と次の仕事を結ぶ「前向きな空白期間」 |
| read between the lines | 言葉と言葉を結ぶ空間に隠された「本音」 |
| just between you and me | あなたと私だけを結ぶ「閉じられた秘密の空間」 |
| few and far between | 点と点の間が「遥か遠く離れて」存在している状態 |
| between a rock and a hard place | 両側の固い存在に挟まれて「逃げ場のない空間」 |
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