直訳なしの英会話力でネイティブの英語に最速で近づく方法と具体例

スピーキング&リスニング

日本人が英語を勉強する時は直訳から始まる。

This is a pen. が「これはペンです」なら「これはリンゴです」は This is an apple.

That is a girl. が「あれは少女です」 なら「あれは少年です」は That is a boy.

まずこう習う。そして、中学生の頃には現在完了形や関係代名詞なども習いある程度の読解力が身に付く。

英会話初心者でも「ここでどのくらいお待ちになりました?」が How long have you been waiting here? になるくらいはわかるようになる。

これは基本の英文法どおりに英単語を並べるとそうなる。

ところが、実際の英会話ではこういった直訳では済まない表現がたくさんある。これに慣れるかどうかで英会話力に大きな差が付く。

例文を示しながら英語のセンスを解説する。

直訳すると使わない英語表現になるケース

日本語からの直訳をしてしまう癖は母語干渉と言われている。

この例を示す。

例1)「通う」は commute とは限らない

「私はジムに通ってます。」

ここで「通う」を辞書で調べる。すると commute という単語が出てくる。

そして、I commute to my office by car. 「私は事務所に車で通っています」 などといった例文を見る。

そこから類推して I commute to the gym. という使われない英文を作る。

これが日本語から英語に直すという直訳の癖、いわゆる母語干渉だ。

「私はジムに通ってます」はシンプルに I go to the gym. でいい。(注;現在形は現在の習慣的なことを表す。)

「私は週に二回ジムに通ってます」なら I go to the gym twice a week. となる。

 

例2)「病院に行く」で hospital は使わない

「お父さんどこ?」に「病院に行ったよ。」と答える英文を「病院」は hospital、「行った」は went だから He went to hospital. とするととんでもない間違いとなる。

文法的には正しいが文法的に正しいことと実際に使われているかは別問題。

これは重大な問題で入院か何かする場合に使うわけで、通常日本語で言われる「病院に行く」は go to see a doctor となる。

なので通常の「(お父さん)病院に行ったよ。」は He went to see a doctor. となる。

 

例3)「どうなる?」で become は使わないケース 

日本語から英語に直訳する癖が付いていると「彼怒ったらどうなるの?」は How does he become when he gets angry? となる。

しかし、ネイティブは絶対にこうは言わない。

これは What is he like angry? と言う。

 

これが頭に入ると「彼女酔っぱらうとどうなるの?」「あなたの赤ちゃんお腹すいたらどうなる?」「彼車運転するとどうなるの?」といった英文がすぐに作れるようになる。

 

「彼女酔っぱらうとどうなるの?」→ What is she like drunk?

 

「君の赤ちゃんお腹すいたらどうなる?」→ What is your baby like hungry?

 

「彼車運転するとどうなるの?」→ What is he like driving?

 

 

ネイティブの英語はこうなる

直訳の癖が付いているとネイティブはそうは言わないと言った英文を作ることになる。

大事な例を三つ挙げてネイティブのセンスをモノにしてもらいたい。

例1)「レストランを予約した」の直訳は英語ではあり得ない

というわけでもないが、まるまるあるレストランを借り切った場合は I have reserved a restaurant. となる。

しかし、普通にレストランの予約をするという場合は席を予約するので I have reserved a table at the restaurant. となる。

 

カウンターなどの席を予約したなら I have reserved seats at the restaurant.

 

例2)「気分が悪い」は I feel bad. とは言わない。

頭の中で直訳回路が出来上がっていると I feel bad. と言いがちになる。しかし、I feel bad. は I’m sorry と同じく「気の毒」という意味。

My wife is in bed because of a cold.

「女房が風邪で寝込んでるんだよ。」

 

 

 

Oh, I feel bad.

「それはお気の毒ね。」

 

では I feel sick. かと言えばこれも違う。I feel sick. は何か嫌な話を聞いたり酷い場面に遭遇した時に「気持ち悪い」と言った意味で使われる。

I hear three people were killed in that accident.

「あの事故で3人死んだんだって」

Oh, really? I feel a bit sick.

「ホントに?ちょっと気分悪いわ」

 

シンプルに I am sick. は意味は通じるが本当に悪い病気かと心配される表現になる。

また、I am sick of ~ は「~にうんざりする」と言う意味なので要注意。

How are you getting on with the company?

「会社とどう、うまくやってる?」

I’m still sick of my boss.

「まだ上司にはうんざりしてるわ」

 

では、体調が優れない時はどんな表現をするか?ネイティブはこの場合はほとんど否定形で表現する

I don’t feel well (good).

となる。

 

例3)「お互い」は each other とは限らない

「ジョンとメアリーは愛し合っている」は John and Mary love each other. でいい。

しかし、「お互い」= each other と頑なにインプットしているとここから間違いが始まり英語のセンスが伸びない。

「彼らはお互いにアイデアを述べ合った」なら They gave their ideas each other. でいい。

しかし、「彼らはお互いアイデアを述べることを約束した」という場合このお互いは「両人とも」という意味なので They both promised to give ideas. となる。

では「明日はお互い遅れないようにしようね」は? これも「両人とも」という意味なので each other は使えない。both が正解となる。

✖  Let’s be in time tomorrow each other.

〇  Let’s both be in time tomorrow.

 

同じように「われわれはお互い全力を尽くした」は

✖  We tried our best each other.

〇  We both tried our best.

 

似ているが使い分けが必要な表現

直訳すると少し失礼だったり場違いだったりすることがよくある。この例を示す。

例1)「You は何しに日本へ?」の表現

テレビ東京の番組で「You は何しに日本へ」という番組がある。

レポーターがよく Why did you come to Japan? と訊ねているがこの表現は少し問題がある。

英語では見ず知らずの人やまだ友達の段階になってない人に Why を使うと直接的過ぎるし場合によっては Why は非難しているように聴こえる。

この場合のお勧め表現は What brought you to Japan? 

What brought you to Japan?

「Youは何しに日本へ?」

 

例2)Why「なぜ」 と How come「なんで」 の違い

Why も How come も意味的には理由を訊ねる表現だが例文とともに違いを解説する。

Why は口語(話し言葉)文語(文章)両方に使われる表現だが3つの特徴がある。

1)フォーマルな表現。

2)答えを求める表現。

3)Why の後は必ず疑問形となる。

Why are you late for school? 「君はなぜ学校に遅れたの?」 

 

Why didn’t he join the meeting?「なぜ彼はミーティングに出なかったの?」 

 

Why do you think (that) John and Mary went through?「なぜジョンとメアリー分かれたと思う?」

 

明確に答えを求めている場合は Why が使われる。

How come は How does it come to that とか How does it come about that などの短縮形と言われている。

要するに「なんでそんなことになるのか?」という問いかけの表現だが、特徴は以下のとおり。

1)口語(話し言葉)のみの表現。

2)インフォーマル(=カジュアル)な表現。

3)必ずしも答えを求めていない。驚きなどを伝える。

4)How come の後は肯定文が続く。

How come you are always so lame!?「なんでお前いつもそんなにダサいんだよ」

 

How come you get hungry so soon!?「なんでそんなにすぐ腹減るんだよ」

 

How come your shirt is inside out!?「なんでシャツ裏返しに着てんだよ」

 

例3)have to と have got to の違い

have to と have got to の違いで注目すべきは動詞 get のあるなし。get には「~になる」という意味がある。

have to は現在形なので現在の習慣や決まった事がらを述べている。

I usually have to come back home by nine in the evening.「私は普段夜9時までに帰宅しなければなりません。」

 

I have to look after my dog every Monday and Friday.「私は毎週月曜日と金曜日に犬の世話をしなけれがなりません。」

 

We have to take attendance before the meeting gets started.「われわれはミーティングを開始する前に出欠を確認しなければなりません。」

 

have got to には「~になる」という意味合いが入る。

Sorry, but I’ve got to get going.「ごめん、もう行かなくちゃいけなくなった。」

 

Now, you’ve got to say yes or no .「いまイエスかノーを言わなくちゃいけないよ。」

 

He’s got to spend all his money.「彼は持ち金ぜんぶ使わなくちゃいけなくなった。」 

 

例4)How will you pay? と How will you be paying? の違い

英語の感覚がわかってない場合「お支払いはどうされますか?」を単純に How will you pay? としがち。

これは友達同士ならまだしもお客様などに対しては失礼になる。つまり、ぶっきら棒に聴こえる。

しかし、これを未来進行形にすると丁寧な言葉遣いとなる。

 

How will you pay?

「支払いどうすんの?」

How will you be paying?

「お支払いはどうされますか?」

 

また、もっと丁寧でフォーマルな場面なら would like to が使われる。

How would you like to pay, sir?

「お支払い方法はいかがなさいますか?」

 

同じように、I will wait for you. よりも I will be waiting for you. の方が丁寧に聴こえる。

Sorry, I might be a bit late.

「ごめん、ちょっと遅れるかも」

 

Don’t worry. I’ll be waiting for you.

「ご心配なさらないでください。

お待ちしております。」

 

would like(love) to を使った表現はとても丁寧に聴こえる。

Would you like to join me at the party?

「パーティーでお会いできますか?」

Sure, I’d love to. I’ll be joining you at sevenish.

「はい、楽しみにしています。

7時ごろお会いできると思います。」

 

ネイティブはこういった表現の使い分けを自然にやっている。これに慣れることでネイティブの英語に近づくことができる。

 

まとめ:ネイティブの英語に近づく正しい方法

以上の具体例で示したようにネイティブの英語をモノにするにはポイントがある。

1)直訳で考える癖を離れること。

2)直訳の間違いと正しい英語の違いを知ること。

3)実際にネイティブが使っている英語から発想すること。

4)少しずつ英語を英語のまま理解することに慣れること。

合せて読みたい記事:グラマー(文法)というレールに単語が走ると英会話になる法則

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