「雨が降ると思っていた」「電話するつもりだったのに、忘れてしまった」「彼女はあとで電話すると言っていた」。
どれも日常でよく使う表現なのに、いざ英語で話そうとすると、すぐには言葉が出てこない。
「思っていた」は thought でいいのか。「するつもりだった」は was going to だったか。「すると言っていた」なら would を使うのか。
頭の中で文法や単語を探し始めているうちに、会話の流れに乗れなくなってしまう。
なぜ、知っているはずの英語が、会話の瞬間に出てこないのだろうか。
私は、英語を知識として理解することと、必要な場面で英語を反射的に口に出すことは、別の能力だと考えている。
今回取り上げるのは、過去のある時点から、その先にある未来を表す英語だ。
「〜と思っていた」「〜するつもりだった」「〜すると言っていた」。
こうした表現を、文法の知識だけに頼らず、場面と結びつけて使えるようになるには、どうすればよいのか。
50年にわたる英語学習を通じて私がたどり着いた「英語脳」という考え方から、そのヒントを紹介したい。
この記事でわかること
・「〜と思っていた」「〜するつもりだった」が英語ですぐに出てこない理由
・日本語から英語に置き換える方法が、会話のスピードを止める仕組み
・過去の場面に立ち、その時点から未来を思い描く考え方
・I thought it would rain. など、過去の予測・意図・発言の違い
・場面と英文を結びつけ、反復によって英語を反射に変える方法
知っている英語なのに、なぜ会話では出てこないのか
「雨が降ると思っていた」「電話するつもりだった」「彼女はあとで電話すると言っていた」など、日常的な表現でも、会話では英語がすぐに出てこないことがある。
単語や文法の知識があることと、必要な瞬間に英語を口に出せることは別の能力なのだ。
英語を知っていることと、英語を話せることは違う
英文を見れば意味が分かるのに、自分で話そうとすると止まってしまう。
このギャップに悩む人は非常に多い。
読めば「なんだ、そんな簡単な表現か」と思えるような英語であっても、実際の会話の中で瞬時に口から取り出すとなると、まったく別のハードルが存在する。
文法を知っていても、会話の瞬間には迷ってしまう
「思っていた」は thought、「するつもりだった」は was going to、と頭の中で知識を探しているうちに、会話の流れに乗れなくなってしまう。
相手とのやり取りは刻一刻と進んでいく。頭の中の「文法辞書」を検索している時間など、会話の中には用意されていないのだ。
日本語から一語ずつ英語に置き換えると、迷いやすい
「雨が降ると思っていた」を日本語から英語に変換する過程を考えてみよう。
日本語の文章を先に作り、単語や文法を一つずつ選ぶ方法では、発話のたびに英文を組み立てる大きな負担が生まれやすい。
もちろん、日本語訳を使って英文の意味を理解すること自体を否定するつもりはない。
問題は、会話の瞬間に毎回「日本語」を経由してしまうことにある。
「思っていた」は thought、「だろう」は would?
例えば、I thought it would rain. という英文がある。
これを「thought = 思っていた」「would = だろう」と個別に分解して組み立てようとすると、頭の中の処理速度は一気に落ちる。
そうではなく、後述するように「空模様を見上げて雨を警戒している過去の自分」という場面から、直接この英文を引き出す感覚が必要になるのだ。
過去の場面に立つと、英語の捉え方が変わる
では、どうすれば迷わずに英語が出てくるようになるのか。
鍵となるのは、過去のある時点を頭の中に描き、そのとき何を考え、何を予想していたかを捉えることだ。
例えば、ハイキングに出かける前、空模様を見て「雨が降るかもしれないな」と思っていた場面を描いてみる。
I thought it would rain. を場面から捉える
過去の自分が雨を予想していた場面と英文を結びつける。
この英文では、thought が過去にそう考えていたことを表し、would rain がそのときの自分から見た未来の予測を表している。
大切なのは、would という単語だけに「過去の未来」という意味を当てはめて覚えることではない。過去の場面と、その時点で思い描いていた未来を一つのまとまりとして捉えることだ。
文法用語で「過去未来」などと覚える必要はない。
過去の自分が、その先に起こる出来事を思い描いていた映像そのものと、英文を直結させるのだ。
過去から、その先にある未来を思い描く
これまで本サイトでは、さまざまな時間の扱い方を解説してきた。
そして今回は、過去の時点に立ち、そこから先にある未来を思い描く(第9弾③)というアプローチだ。
現在から未来を見るのではなく、過去の時点に立って、その先に何が起きると思っていたのかを捉える。
私はこれを「過去の中の未来」と呼んでいる。
「思っていた」「するつもりだった」「すると言っていた」の違い
ここで、日本人が特に迷いやすい3つの英文を取り上げ、それぞれが表す場面の違いを整理してみよう。
文法形式を丸暗記するのではなく、「場面の違い」に注目してほしい。
I thought it would rain.|過去の予測
過去のある時点で、「これから雨が降るだろう」と思っていた場面を描く。
実際に雨が降ったかどうかという結果とは別に、「当時の自分の予測・見通し」を表す英文だ。
I was going to call him, but I forgot.|過去の意図
「電話するつもりだったが、忘れてしまった」という場面を描く。
was going to は過去の時点での「意図や予定」を表し、それが実現しなかったことは後半の but I forgot から伝わる。
「しようと思っていたけれど、できなかった」という人間の行動と心理がそのまま形になった表現だ。
She said she’d call me after work.|過去の発言
彼女が「仕事のあとで電話する」と話していた場面を描く。
said は「過去の発言」、she’d call(she would call)は「その発言の時点では未来だった行動」を表している。
このように、同じ「過去から見た未来」であっても、予測なのか、意図なのか、発言なのかによって使われる表現のニュアンスが変わるのだ。
※ ここで、3つの英文をもう一度、頭の中に場面を描きながら捉えてみよう。
– I thought it would rain.
出かける前に空を見上げ、雨が降りそうだと考えていた自分を思い描く。
– I was going to call him, but I forgot.
電話をしようと思っていたのに、別のことをしているうちに忘れてしまった場面を思い描く。
– She said she’d call me after work.
彼女と話していたとき、「仕事のあとで電話する」と聞いた場面を思い描く。
3つとも過去に関係する表現だが、頭に浮かべる場面は違う。
過去の予測、過去の意図、過去の発言。それぞれの場面を思い描きながら英文を声に出してみよう。
単語や文法を個別に探すのではなく、場面と英文をひとまとまりにして捉える。これが、英語を知識から反射へと変えていくための練習になる。
分かった英文を、すぐに口から出る英語に変える
概念や文法を「理解した」だけで終わってはいけない。
場面を思い描き、音声を聴き、声に出し、何度も繰り返すことの大切さを知ってほしい。
英語を「知識」から「反射」へ変えるには、頭で納得した後に、実際に口を動かす反復練習が不可欠なのだ。
場面・意味・英語を直接結びつける
会話のたびに日本語の文章を作ってから英訳するのではなく、「場面・意味 ➔ 英語」と直接つながる反応を鍛えていく。そうすることで、英語を口に出すまでの時間を少しずつ短くしていくことができる。
一度理解して終わらず、声に出して反復する
英文を聴き、自分でも発話し、繰り返すことで反応を鍛える。
読むだけ・分かるだけでは話せるようにはならない。
泥臭い反復の先にしか、考えなくても口から出る「反射」は存在しないのだ。
「過去の中の未来」を実際の会話で練習したい方へ
ここまで、「〜と思っていた」「〜するつもりだった」「〜すると言っていた」という表現を、過去の場面から捉える考え方を紹介してきた。
しかし、考え方を理解することと、会話の中で反射的に英語を口に出せることは同じではない。
実際に英語を身につけるには、場面を思い描き、音声を聴き、自分でも声に出し、何度も繰り返す必要がある。
そこで、今回の考え方を実践トレーニングとして落とし込んだ教材として、英語脳構築講座・第9弾③を用意した。
👉️ 【実践編・第9弾③】「過去の中の未来」を英語で話す|時間軸を動かして英語を組み立てる10トレーニング(音声教材付き)
この教材では、過去の予測、過去に聞いた予定や約束、過去の時点での意図など、10の会話トレーニングを通じて練習できる。
画像と音声を活用しながら、英文を知識として覚えるだけでなく、場面と英語を結びつけて反復していく構成になっている。
まずは、第9弾③ユニット1を開いて実際に試してもらいたい。
ここに英語脳構築講座シリーズ第9弾③ユニット1の内容がわかる画像を載せておく。

このように、教材では印象に残る画像とともに音声付きで何度でも反復練習ができるようになっている。
📚 そもそも「英語脳構築講座」とはどのような教材なのか? 全体像やこれまでの第1弾〜第8弾までのトレーニング内容については、以下の記事から確認してほしい。
👉 英語脳構築講座とは?|50年の英語学習から作った「知識」を「反射」に変える実践教材
運営者ヤヌスの心からのメッセージ
英語は「知識」ではなく「反射」です。
理解しただけでは話せるようにはなりません。
本当のゴールは“瞬時に口から出る状態”です。

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