英語を日本語に訳してしまう人が英会話で苦戦する理由|英語脳との違い

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英語を何年も勉強してきたのに、いざ外国人を目の前にすると、言いたいことがすぐに英語で出てこない。

そんな経験はないだろうか。

その原因の一つとして、私が考えているのが、学校英語で身につけた「英文を日本語に訳して理解する」という習慣だ。

もちろん、英文を日本語に訳すこと自体が悪いわけではない。日本は翻訳を通じて海外の知識を学び、知的な発展を遂げてきた歴史がある。

しかし、知識を日本語で理解することと、英語を聞いて瞬時に反応し、自分の考えを英語で伝えることは、同じではない。

英会話では、相手の英語をその都度日本語に置き換えてから返答を考えていては、会話の流れについていけなくなることがあるからだ。

では、英語を日本語で理解する段階から、英語を英語のまま理解して反応できる段階へ進むには、何が必要なのだろうか。

私の50年にわたる英語学習の経験を踏まえながら、考えてみたい。

日本の翻訳文化は、海外の知識を日本語で学べる環境を築いてきた

日本は、海外の知識や技術を取り入れる際、翻訳を重要な手段として活用してきた。

江戸時代には、オランダ語などを通じて海外の医学や科学の知識を学ぶ蘭学が発展した。

明治時代になると、西洋の科学、医学、哲学、法律、経済など、さまざまな分野の知識が積極的に取り入れられた。翻訳や新しい訳語の整備は、そうした知識を日本語で学ぶための重要な土台となった。

現在、私たちが当たり前のように使っている「科学」「哲学」「社会」「経済」といった言葉にも、近代に西洋の概念を受け入れる過程で整えられ、普及していったものがある。

翻訳の意義は、外国の知識を日本語に置き換えたことだけではない。

日本語で学び、考え、議論できる環境を整えることで、専門的な知識を一部の外国語に通じた人だけのものにせず、より多くの人へ広げる役割を果たしてきたのだ。

このような翻訳文化があったからこそ、私たちは外国語を自由に使えなくても、海外の優れた知識や考え方を日本語で学ぶことができる。

私は、この日本の翻訳文化を否定するつもりはない。むしろ、日本の知的な発展を支えてきた大きな功績だと考えている。

ただし、ここで区別しておきたいことがある。

それは、外国の知識を日本語で理解することと、外国語を使って相手とやり取りすることは、目的が違うという点だ。

知識を理解するための翻訳と、英語を話すための反応は違う

本を読んで海外の知識を学ぶ場合、分からない英文があれば、辞書を引いたり、日本語訳を確認したりできる。

時間をかけて理解しても、基本的には問題ない。

一方、英会話では事情が違う。

相手が話し終わるのを待ってくれるとは限らない。こちらが日本語に訳し、意味を考え、それを英語に置き換えている間にも、会話は進んでいく。

もちろん、英語を理解する過程は人によって異なる。日本語訳を使って学んだからといって、必ず英会話が苦手になるわけではない。

問題は、翻訳を使った経験そのものではないのだ。

英語を聞くたびに日本語へ置き換えなければ意味が分からず、話すたびに日本語から英語へ変換しなければ言葉が出てこない。

もし、そのような処理に頼り続けているなら、会話のスピードに対応するのが難しくなる。

英単語や文法の知識があることと、その知識を会話の中で瞬時に使えることは別だからだ。

では、実際にどのような違いがあるのだろうか。

英文を日本語に訳して理解しても、英語で瞬時に反応できるとは限らない

例えば、相手から次のように聞かれたとする。

“What are you doing?”

これに対して、料理をしている場面なら、

“I’m cooking.”

と答えられる。

 

英語を聞いた瞬間に、相手が何を尋ねているのかを理解し、自分の状況に応じて英語で返答できれば、会話は自然に進む。

ところが、英文を処理するたびに、

“What are you doing?”

 ↓

「あなたは何をしていますか?」

 ↓

「今、何をしているかを聞かれている」

 ↓

「私は料理をしています」

 ↓

“I’m cooking.”

という手順を毎回踏まなければならないとしたら、どうだろうか。

これは、誰もが実際にこの順序で考えているという意味ではない。日本語に訳してから理解する学習習慣が、会話の場面でも残っている場合を考えた例だ。

このような処理に時間がかかれば、相手の次の言葉に反応できなくなることもある。

一方、英語の音と意味、そして目の前の場面が直接結びついていれば、日本語の文章を頭の中で組み立て直す必要はない。

料理をしている自分の姿を思い浮かべながら、“I’m cooking.” と口にする。

このように、場面や意味と英語を結びつける練習を重ねることが、英語を瞬時に使う力につながると私は考えている。

中学2年生の私が、現在形と現在進行形の違いを「わかった!」瞬間

私自身、このことを実感した経験がある。

中学2年生のとき、私は現在形と現在進行形の違いを学んだ。

例えば、次の2つの英文だ。

“The sun rises in the east.”

「太陽は東から昇る」

“Look! The sun is rising over the mountains.”

「見て! 太陽が山々の向こうから昇っている」

最初の英文は、太陽が東から昇るという一般的な事実を表している。

それに対して、2つ目の英文は、今まさに太陽が山々の向こうから昇っている場面を表している。

私は、この違いを単に日本語訳の違いとして覚えたのではなく、それぞれの英文が表す状況と結びつけて理解した。

現在形は、いつも成り立つことや習慣などを表す。

現在進行形は、ある動作が進行している場面を表す。

その違いが腑に落ちたとき、私は「わかった!」と感じた。

もちろん、最初に理解する段階では、日本語による説明も役に立った。

しかし、一度その違いを自分なりに理解してからは、英文に出会うたびに日本語の説明へ戻らなくても、状況の違いを捉えられるようになった。

これは、あくまでも私自身の学習経験であり、誰もが同じ経過をたどるということではない。

それでも、私にとっては、英文の知識を日本語で覚えるだけの段階から、英文が表す意味や状況を直接捉える段階へ進んだ経験だった。

英語を使えるようになるためには、文法の説明を理解するだけでなく、英文と意味、場面を結びつけていくことが大切なのではないだろうか。

問題は翻訳することではなく、翻訳しなければ英語を使えないこと

ここまで読んで、誤解してほしくないことがある。

私は、英語を学ぶときに日本語を使ってはいけないと言っているのではない。

文法の仕組みを理解するために日本語で説明を受けることも、難しい英文の意味を確認するために日本語訳を参照することも、学習の助けになる。

辞書や文法書、翻訳ツールを活用することにも意味がある。

大切なのは、それらを使って理解したところで、学習を終わらせないことだ。

日本語訳を見れば分かる。

文法問題なら解ける。

英文を読めば意味を理解できる。

それでも、会話になると英語が出てこない。

もし、そうした状態にあるなら、知識を増やすことだけでなく、すでに知っている英語を瞬時に理解し、使えるようにする練習が必要なのかもしれない。

目指したいのは、日本語を一切使わないことではない。

必要なときには日本語で理解しながらも、実際に英語を聞いたり話したりするときには、日本語への変換に頼り切らずに反応できる状態だ。

この違いを意識することが、英会話の学習を見直す出発点になる。

では、そもそも「英語脳」とは何なのか。そして、日本語を介さずに英語を理解し、瞬時に反応できるようになるには、どのような訓練が必要なのか。

私が50年にわたる英語学習の試行錯誤からたどり着いた考え方を、こちらの記事で詳しく解説している。

👉 英語脳はどうやって作る?|50年の英語学習で私がたどり着いた「英語脳構築」の道筋

英語を「知識」から「反射」へ変えるために必要なこと

では、知っている英語を、会話の中で使える英語へ変えていくには、どうすればよいのだろうか。

私が大切だと考えているのは、次のような練習だ。

1.英文を聞き、場面を思い浮かべる

英文を聞いたら、すぐに日本語訳を思い出そうとするのではなく、その英文が表す人や物の動き、状況を思い浮かべる。

例えば、“I’m cooking.” と聞いたら、誰かが台所で料理をしている場面を思い浮かべる。

英語の音と、そこから伝わる意味や場面を結びつけていくのだ。

2.理解した英文を、声に出して繰り返す

英文の意味が分かったら、音声を聞き、実際に声に出して繰り返す。

頭の中で理解するだけでなく、自分の口で発音し、英文をそらんじられるくらいまで練習する。

知識として知っている英文を、必要なときに口から出せる状態へ近づけていく。

3.場面を思い浮かべながら、自分でも英語を使う

英文を覚えたら、そこで終わりにしない。

主語や動詞などを入れ替えたり、別の場面を思い浮かべたりしながら、自分でも英文を使ってみる。

うまく言えなければ、音声や英文を確認して修正する。そして、もう一度繰り返す。

このような練習を重ねることで、知っている英語を実際の会話で使う力を育てていく。

これは、車の運転や料理と似ている。

教習所で運転の知識を学んでも、それだけで自由に車を運転できるようにはならない。料理の手順を本で読んでも、実際に手を動かさなければ、思いどおりに作れるようにはならない。

英会話も同じだ。

知識を理解することと、必要な場面で実際に使えることの間には、練習によって埋めるべき距離がある。

私は、この距離を埋めるために、英文と映像、意味、場面を結びつけながら、聞く・理解する・声に出す・繰り返すという練習を重視している。

その考え方を、実際に取り組める教材として形にしたのが「英語脳構築講座シリーズ」だ。

単に英文の意味を理解して終わるのではなく、知っている英語を、場面に応じて自然に使える状態へ近づけるための実践教材である。

英会話は「知識」ではなく「反射」へ

日本の翻訳文化は、海外の知識を日本語で学べる環境を築き、日本の知的な発展を支えてきた。

その功績を否定する必要はない。

しかし、英会話で求められるのは、英文を日本語に訳して正しく理解することだけではない。

相手の言葉を理解し、自分の考えや状況に応じて、英語で返答することだ。

そのためには、文法や単語の知識を身につけるだけでなく、英語の音と意味、場面を結びつけ、実際に口を動かしながら繰り返し練習する必要がある。

英語は、知識として理解しただけでは、瞬時に口から出てくるようにはならない。

読む。聞く。声に出す。うまくいかなければ修正する。そして、何度も繰り返す。

その積み重ねによって、知識を実際に使える力へ変えていく。

私は、これが英会話を上達させるうえで欠かせない過程だと考えている。

英会話の初心者は、新しい単語やフレーズを次々と増やすことだけに集中するのではなく、まず、すでに知っている英語を瞬時に理解し、使えるようにする土台づくりから始めてみてほしい。

そのための考え方と具体的なトレーニングを、こちらの講座で紹介している。

👉 英語脳構築講座シリーズはこちら

運営者ヤヌスの心からのメッセージ

英語は「知識」ではなく「反射」です。
理解しただけでは話せるようにはなりません。
本当のゴールは“瞬時に口から出る状態”です。

👉 英語脳を反射神経に変える方法はこちら

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