定年退職前後の50代60代で今まで成し遂げられなかった英会話の修得に未練が残っている人がいる。
そういう人は若い頃に一度や二度は英会話の勉強をしたけど十分な成果を挙げられなかった過去がある。
定年と同時にまだ心に残る英会話修得に再挑戦をしたい気持ちはあれど何から始めどうやっていくべきかを迷う。
だいたいこういった気持ちかと思うが、世の中には様々な英会話の勉強方法がある。それらを調べると余計に迷う。
オンライン英会話、英会話スクール、英会話アプリ、英会話サークル。それぞれに利点はあるが、どれを選択すべきか。
中にはお金を使って始めたはいいがなかなか上達しない現実に挫折感を覚えている人もたくさんいると思う。
実は、その答えは学ぶ本人にある。これがこの記事のテーマ。
具体的な英会話の勉強方法の前に効率的な英会話習得のプロセスを明らかにする。
その上で、どんな勉強方法を選択すべきかを明らかにする。
対象は中学の英文法が完璧ではないがだいたいわかるレベルの人。リスニングと発音は苦手でネイティブの話にはついて行けない人。
この記事を最後まで読んで理解すると英会話を修得するためにまず何をどうすべきかがわかる。
英会話の修得は時間が掛かるという前提
英会話の教材やアプリの紹介サイトにはよく「三ケ月で英語がペラペラになる」とか「聴きながすだけで英語がわかるようになる」といった宣伝文句がある。
世に稀な不可思議とかしか表現できない天才を除いて、それは無理な話。
私が知り得るかぎり、普通の日本人で英会話ができるようになった人はやはり年単位の練習をした人ばかりだ。
聴き流すだけで英語がわかるようになる人はいない。意味を理解できない英語の音声が流れてもそれは雑音に過ぎない。
従って、意味がわかるように英文法をひとつひとつ勉強し、それを追いかける形でリスニングと発音の訓練をする。
これが普通の日本人が英会話をモノにする王道です。
この王道にさっさと入り込み訓練を楽しめるようになればしめたもの。あとは集中と継続であなたの英会話は必ず上達する。
では、英会話初心者、しかも50代60代といったあなたは何を注意し選択に誤りがないようにすべきか。
以下にこれを解説する。
独学でない選択肢の問題
英会話学校やオンライン英会話といった選択をする人に共通する問題は、そういった専門の機関で指導を受けるだけで英会話が巧くなると安易な想定をしていること。
これは他人への依頼心が心理の根っこにある。
根っこに依頼心があると自分のペースで繰り返し練習する契機やモチベーションが失われる。これで失敗する。
さらに、独学でない勉強方法には次の問題も不随する。
勉強する時間や場所の制約
英会話スクールやオンライン英会話の場合は指導する相手が伴なうやり方なので大なり小なり時間や場所の制約がある。
自分の都合どおりに好きな時間に好きな場所で好きなだけ勉強できるといった環境ではないのだ。
しかし、英会話初心者の場合は何より繰り返し練習することで理解できたり発音できたりするプロセスが必要なので、時間や場所の制約があるというのは実際の勉強が不自由になる。
しかし、独学中心の学習スタイルなら一日の時間の中で自分に合った時間と場所を配分できる。
これは現実的に大きなメリットとなる。
次に、オンライン英会話と英会話スクールに伴うデメリットを述べる。
オンライン英会話のデメリット
オンライン英会話はパソコンやスマホなどで英会話のレッスンを受ける方法だが、当然のことにパソコンなりスマホなりの操作が巧くできないとレッスンが成り立たない。
50代や60代といったあなたがここに難がないなら問題はないが、多少なりともこういった機器に不慣れな場合はこの操作そのものが面倒になる。
これでは英会話の習得どころの話ではない。
また、スマホなら原則場所を選らばずにレッスンを受けられるが、パソコンしかないならば自宅に縛られる可能性が高い。
講師を選べるサービスがあるオンライン英会話のアプリなどもあるが講師とのタイムスケジュールを合わせる必要があるし、この時間を合わせる手続き自体に時間も手間もかかる。
さらに、講師との相性はやってみるまでわからない。
英会話スクールのデメリット
講師との相性がやってみるまでわからないのは英会話スクールも同じだが、英会話スクールはそもそもスクールに通わなくてはならない。
何らかの事情で欠席となったレッスン内容を再度受けることはまず不可能で、欠席することが何度か重なってくると授業から取り残される可能性が出てくる。
これが程度を越すと授業自体が面白くなくなるのは自然な心理だ。これが理由で英会話スクールを辞める人もいる。
また、英会話スクールでは数人単位での勉強となるので他人の上達具合が気になる。
これは本来自分のペースで勉強をすべき英会話初心者にはマイナスの心理を生む。
自分より上達が早い人、特に自分より20歳も30歳も若い人などがどんどん英語の受け答えが巧くなる姿を目の当りにすると自信を失うことになる。
では、仮に生徒同士の人間関係がとても良かったとする。しかし、この場合多少なりとも生徒同士のお付き合いが生じる。
50代60代の人生経験豊かなあなたはこの心地いい人間関係の誘惑から身を守れますか?
それ自体は悪くないことだとしても、英会話を最短でモノにしたいあなたの志が変質する可能性が出てくる。
まずは独学が有利な3つの理由
英会話の基礎固めに必要不可欠なことは集中と継続だ。
質の高い集中と継続を維持するために必要なことは「静寂な環境。」
つまり、誰にも邪魔されずに英文法を一つ一つ学び基礎的な発音を繰り返してモノにするプロセス。
相手は自分に合った教材のみ
ここに集中と継続で基礎固めをすることが英会話修得という長い道のりを走りきる気力体力となる。
では、以下に独学が有利な理由を具体的に解説する。
マイペースな時間活用
まずはその日その日の都合に合った時間を自分で配分できる。これが最大のメリットの一つ。
ただ、強制力がないので怠惰に流れる心配はある。これは自分自信の志の問題なのでこの記事のテーマではない。
さて、人間の集中力は20分くらいがピークと言われている。なので、時間を長くすれば成果に繋がるとも言えない。
このような点を考慮すると、特に机に向かって集中して勉強するは5~10分くらいの休憩を挟んだ一時間程度が無理なく毎日継続できる時間かと思われる。
ただ、集中して勉強する内容が決まっていないなら集中することさえできない。
なので、どんな教材であれその日その日の勉強内容は事前に決まっている必要がある。
あとは一日を通してスキマ時間や空いた時間、あるいは気が向いた時に積極的に勉強した内容にさっと目を通したり発音したり。これが意外に効く。
合せて読みたい記事:朝晩20分とスキマ時間の活用で半年後に英会話初心者を卒業する方法
基礎英文法の習得
英会話は英語を聴いてそのまま理解し言いたいことを即座に英語で組み立てて発言する力だ。
この前提にあるのが英文を理解する力、いわゆる英文法だがこの基礎固めをせずには英会話の訓練そのものができない。
従って、まだ英文法の基礎に自信がない場合は他はさておき基礎的な英文法の修得が最優先事項となる。
英会話に必要な英文法は中学レベルの英文法に若干の仮定法の理解があればいい。
ただし、極めて重要なことは学校で習ったような英文法の習得法では英会話に必要な英文法力は身に付かない。むしろ、英会話のセンスが落ちる。
英会話に必要な英文法力とは何か。
これは英語の語順どおりに英語を理解する力、英文を語順に沿って読み下す力のこと。
例えば、次の例文。
You tend to forget where you are when you are too excited about what you say.
学校の英文法では後ろの節から(この場合は when ~)日本語に訳して理解する。つまり、理解は日本語の語順で終わる。これでは英会話に必要な文法力にはならない。
英会話に必要な文法力はこの場合は以下のような意味上の塊ごとに理解する力のこと。
You tend to forget / where you are / when you are too excited / about what you say.
「あなたは忘れがちになる / あなたのいる場所を / あなたが興奮し過ぎる時 / あなたが言うことに」→ 「人は自分の言葉に興奮し過ぎると立場を忘れがちになる」
この語順通りに理解する力を英語脳と呼ぶが、ただネイティブを相手に英語の勉強をしても繰り返し練習がないとなかなか身に付かない。
これは脳内の思考回路や反射神経の転換であり独学の環境下で繰り返し納得することで最も効率よく確実に達成できる。
合せて読みたい記事:語順通りに読み下し理解する英語脳を作る秘訣はこの例文で学べ
基本的な発音と抑揚の習得
独学の環境下で繰り返し納得することで最も効率よく達成できるのは基本的な発音や抑揚においても同様だ。
英会話を目指す人は目にする単語やフレーズばすべて発音して音声で理解できるようにならなければならない。
英文法の勉強においても然りで、教材選びの大きなポイントは文法解説書にCDなどの音声が付いているかどうかという点。
この場合もCDなどがお勧めなのは不得手な発音や抑揚を何度も繰り返し聴いて練習できるからに他ならない。
英会話スクールやオンライン英会話の場合はレッスンの時間終了とともに音声の再現が困難になる。
私事になるが、私が英語を聴きとれるようになった淵源は高校生の頃に買って使ったカセットテープ付きの英会話教材。
当時は主流だったカセットテープレコーダーで何度も巻き戻しを掛けながら納得いくまで繰り返し発音や抑揚を真似た。
これをやりながらある程度の実力が付くと一気に英語が聴き取れたり応答ができるようになった。
まとめ
1)英会話教材やアプリによくある安易な宣伝文句に惑わされない。
2)オンライン英会話や英会話スクールに安易な期待をしない。
3)英会話を身に付けるには基礎文法固めが最優先事項。
4)英会話に必要な英文法は語順通りに読み下す英語脳。
5)時間や場所を自分で決められる独学で効率的な勉強をする。
参考にしたい記事:初心者が独学で英会話を習得するために絶対守るべき手順のポイント
コメント